「別居中に浮気や不倫をしたらどうなるの?」という疑問をもっている方も多いでしょう。インターネットで調べてみると、「別居中や別居してからの浮気や不倫は不貞行為にはならない」と説明していることがあります。では、別居の状態ならば、浮気をしても不貞行為にはならないのでしょうか?
●婚姻関係破綻の間違った解釈
別居中の浮気・不倫は不貞行為にはならないと主張する人は、「別居によって、婚姻関係がすでに破綻している」という根拠から、そう断言しているようです。しかし、その人は、“婚姻関係の破綻”について、間違った解釈をしていると考えられます。この言い分だと、「別居したことが、婚姻関係の破綻を導いた」ことになります。
別居とはそもそも、「夫婦が別々に住んでいる」ということだけで、婚姻関係の破綻まで意味していないのです。これは、単身赴任の場合を考えてみるとわかると思います。また、婚姻関係破綻の成立は、夫婦の一方が主張しても認められないのです。例えば、夫が「婚姻関係を終わらせたい」と主張しても、妻は「夫婦の関係を続けたい」という意志を持っていれば、婚姻関係の破綻にはならないと言います。
●別居中に浮気をしたら…
「夫と別居したいなんて思っていないのに、勝手に夫が家を出て行ってしまった」という場合は、妻が婚姻関係の破綻を認めていないので、「夫が勝手に別居の行動に出た」というだけのことなのです。また、勝手に別居を始めた夫が、その後、浮気や不倫をした場合は、不貞行為として認められる可能性もあります。そもそも、勝手に別居を始めて夫婦関係をさらに悪くする原因を作ったのに、「別居しているから浮気しても不貞行為にはならない」というのはおかしな話です。
では、「別居と婚姻関係の破綻は全く関係ないの?」と思ってしまいますが、そういうことはなく、別居は破綻を判断する材料になります。別居状態が長く続いており、その間に、お互い連絡を取らないなど、婚姻関係を続けたいという意思がなかった場合は、破綻していると認められる可能性があるようです。
つまり、別居中でも、浮気や不倫をすれば不貞行為になりますし、別居状態だからと言って、婚姻関係が破綻しているとは言えないのです。