別れさせ屋では、すでに婚姻関係にある男女の離婚はもちろんのこと、単なる交際関係にある男女の「別れさせ」も依頼の一種として受け付けています。まだ正式に婚約をしているわけではありませんから、その解消には「離婚」のような正式な手続きは存在しません。事務的なプロセスはそれほどありませんから、そのあたりは簡単におもえるかもしれませんが、逆に言えば、ちゃんとして証を作りづらいということになりますから、そのあたりの線引きが難しくなります。
ただし、このような依頼であっても、相手はすでに交際相手と婚約、もしくは同棲している場合もあります。結婚しているわけではありませんが、結婚が間近に見えている、もしくはそれを意識している、ということが互いのきずなを強くしているのです。こういう男女の交際を解消させようと思った場合、そのあたりを理解する必要があります。
こういった場合でも相手に対して工作というものを行っていくわけですが、この場合の手法としてよくあるのは、新しい恋愛関係を作る、というものです。相手は、今のパートナーとの恋愛を真剣に考え、結婚も視野に入れているほどです。つまりは本気なわけです。それを解消させるためには、他の異性との関係をもちかけて、相手がもとのパートナーとの関係よりも大事に思うように差し向けなくてはなりません。
恋愛をもちかけて、相手との間に浮気のような関係を作り上げます。そして、最終的には、相手の方に、もとのパートナーとの関係を「終わりにしたい」と思わせるのが重要です。基本的には、こちらの方が「別れて」「終わりにして」などと言うことはなく、あくまでも工作の対象となる本人に「別れたい」と言わせる、思うようにするのが肝になります。
まだ結婚していないとは言え、別れさせ屋に依頼が来る以上、相手の関係はそれなりの本気度があります。ですから、関係解消の難易度は決して低いとは言えません。また、婚約関係の場合と違い、「相手との関係に冷めている」という隙がないですから、それを切り崩していくのは離婚とはまた違った意味での大変さがあるでしょう。