別れさせ屋が行う工作と言うと、対象者に異性を接触させる“ハニートラップ”をイメージする方も多いかもしれません。しかし、全ての別れさせ工作で、異性の工作員を近づけるわけではないそうです。
●案件によって最適な工作員を選ぶ
「私と不倫していることを相手の奥さんは知っているし、不倫相手の夫婦仲も良くないのに、全然離婚してくれない」という、別れさせ屋への相談でよくあるケースを例に挙げます。なぜ奥さんが離婚したくないのかというと、奥さんにとっては、離婚によって「愛人が得をすることが許せない」と考えているからでしょう。そのため、夫に愛情がなくても、悔しいという想いから意地になって離婚を拒否しているのです。
このような強い想いをもった対象者には、異性の工作員と恋愛関係に発展させる工作をするよりも、同性で年上の工作員で、「対象者と似たような経験をしたことがある」という設定で接触させ、信頼関係を構築する工作を行った方が効果があるようです。そして、「意地を張って辛い想いをしても、無駄な時間になるだけだよ」「私はとても後悔している」と自分の経験と照らし合わせるようにして、対象者の意地を取り払うように誘導していくのです。
つまり、依頼者の相談内容から、別れさせ工作を行う対象者の状況や性格などを判断して、最適な年齢や性別の工作員を選び、人物設定を入念に行って、対象者に接触させることが大切なのです。優良な別れさせ屋では、「対象者と肉体関係をもたせて別れさせる」というような安易な工作を行いません。それぞれの案件に合わせて、その内容に最も効果的な手段や方法を検討しているのです。
●対象者の情報がない場合
「夫が浮気していることは確かだけど、その相手が誰なのかわからない」というように、別れさせたい相手がいても、その人の情報がほとんどない場合もあるでしょう。別れさせ屋の調査員はプロなので、対象者を突き止めて、詳しい情報を調べ上げることができると言います。調査は長時間かかりますが、卓越した調査力によってしっかりと基礎を作り、その後の別れさせ工作をスムーズに進められるようにしているのです。