東京で別れさせ屋を営む意外なメリットとは
別れさせ屋の仕事について話すと、多くの方が「東京は人が多いから、依頼も多そうだし、ターゲットも見つけにくそう」といったイメージを持たれるようです。
もちろん、それは間違いではありません。
しかし、長年この街で仕事をしてきた私からすると、東京で別れさせ屋を営むことには、もっと意外なメリットが存在するのです。
今回は、普段あまり語られることのない、プロの視点から見た「東京」という舞台の特異性について、少しお話ししたいと思います。
■究極の「匿名性」が自然な偶然を演出する
東京の最大の武器は、その圧倒的な人口密度と流動性がもたらす「匿名性」です。
これは単に「人混みに紛れやすい」というレベルの話ではありません。
別れさせ屋にとって重要なのは、工作員がターゲットの日常に、違和感なく溶け込めるという点です。
地方都市であれば、見慣れない顔が近所をうろついたり、行きつけのバーに現れたりすれば、すぐに「あの人、誰だろう?」と噂になってしまいます。
■どんな「設定」にもリアリティを与える多様性
別れさせ屋では、工作員がターゲットの理想に合わせて、さまざまな職業や経歴を持つ「ペルソナ(人物像)」を演じます。
そして東京は、このペルソナに圧倒的なリアリティを与えてくれる街です。
どんなに華やかで特殊な経歴であっても、「東京なら、そういう人もいるよね」と自然に受け入れられます。
これがもし地方都市で「親の資産で投資をしながら自由に暮らしている」という設定の工作員が現れたら、少し不自然に聞こえませんか?
■シナリオを彩る無限の「舞台装置」
工作の成功には、ターゲットの心を動かす「シチュエーション」、つまり舞台装置が欠かせません。
シチュエーションによって、ターゲットの考えを変える説得力が生まれます。
その点において、東京は舞台選びに困ることがありません。
選択肢が多ければ多いほど、シナリオは練り込まれ、ターゲットの心をより強く揺さぶることができます。
この「舞台装置」の豊富さこそ、東京での工作成功率を支える、見過ごされがちな大きなメリットなのです。
■でも、ライバルも多い
一見すると冷たく、無機質にも感じられるこの大都市の特性が、実は人の心を動かす別れさせ屋の仕事にとって、最大の味方となっている。
東京は意外と別れさせ屋にとって最適な都市だと思います。
でも、致命的なデメリットがあります。東京はライバル業者が多いことです。頑張って依頼人の信頼を積み上げていきたいと日々思います。
